(Vampire knight)


【 黒主 優姫 】


10年前、雪の中でレベル:Eの吸血鬼に襲われたところを玖蘭枢に救われ、以後黒主理事長の養女として迎え入れられる。
5歳以前の記憶がないというミステリアス設定のヒロイン……のはずだが、あまりミステリアスに感じないのは幼い外見ゆえか、はたまた明るい性格ゆえか。
彼女の正体については2005年9月現在、吸血鬼説(枢の肉親説含む)も浮上しており、謎が明らかになる日が待ち遠しい。
あまりに平凡娘っぽいキャラなので(そこが良い)、わたし的には普通の人間であってほしい。

「何故優姫は枢に優しくされるのか」
これも読者の大きな関心事であるが、読者のみならず、藍堂や架院をはじめとする夜間部の面々、そして最近出逢ったばかりの夜刈、果てには零にまで、その理由を訝しく思われている。
これは遠まわしではあるが、「玖蘭枢のようなパーフェクトガイが、何故何の取り柄もなさそうで平々凡々な少女に目をかけているのか」=「優姫のどこが魅力なのか理解不能」と言われているも同然ではないだろうか。
もしも優姫が夜間部に匹敵する美貌の持ち主であったならば、枢が優姫がいかに可愛がろうとも、別段誰もツッコミを入れなかったのではないか、とも思われる。
なんとも失礼な話。 もはや、枢が優姫を可愛がる裏に特別な事情がなければ許されない雰囲気になっている。
たとえば自分が拾うことによって命を救った子猫がいるとしたら、たいていの人間は無条件でその子猫を可愛がるような気がする。
枢と優姫の場合もそれと同じ原理ではいけないのだろうか。
少なくとも、読者はもっと深い理由を期待しているに違いない。
当然モエダもであるのだが。

枢(+零や理事長)というハイレベルな男性に大切にされているが、そのせいで普通科・夜間部の女子に煙たがられているので、プラスマイナスゼロといったところだろうか。
とにかく微妙な立場にいると言える。
フェロモン勝負では男性陣に負けっぱなしだし、とても哀れなヒロインと言えるのかもしれない。
しかし優しさを武器に、くじけないで生きてほしい。

枢が好きなのか、零が好きなのか、今の段階では不明。



【 玖蘭 枢 】


ご存知、「ヴァンパイア騎士」において最も謎とフェロモンの多い人……ではなく吸血鬼。
吸血鬼の最高峰レベル:Aの純血種であり、夜間部のクラス長であり、意味ありげなセリフばかりを残し、読者を大いに悩ませてくれる困ったちゃんでもある。
一見優しげで所作も貴公子然としているが、本質はかなりブラックと思われる。
特に優姫に大切にされている零に対しては小姑もビックリのイビリっぷりを発揮。
あえて見た目に傷を残さない精神攻撃を選ぶあたり、イビリのテクニックは堂に入ったもの。
これまでは水面下でのネチネチ行動だったのに、最近は優姫の前でもオープンになりつつあるのは我慢の臨界点ギリギリのところにさしかかっている証拠。
個人的には臨界点突破の枢を見たい。
零の写真に刃物を突き刺したこともあったが、少なくともそれで憂さを晴らせるレベルはとうに超えているのだろう。(串刺し用に零の写真を何枚も持っていたら笑える)

その外見に似合わず、彼は物騒である。
そもそも初登場は、10年前、優姫を襲っていたレベル:Eを瞬殺するシーンだった。
少し話がそれるが、五歳児の目の前で敵を始末するのは倫理的にどうかと思う。
一刻を争う事態だったのだから仕方がないが、枢ほどの大物なら、あの場は相手を気絶させる等、何とかできたのではないかと思えてしまう。
普通なら、吸血鬼に襲われたことよりも、殺人現場目撃のほうが恐ろしいのではないだろうか。
おまけにあの時、枢だけでなく優姫まで返り血を浴びている。
……これがトラウマにならないわけがない。
もしかすると、そんな枢を見ても怖がらなかったことにより、枢が優姫に執着を見せ始めた、という設定なのだろうか。

性格的には、優姫にちょっかいを出した藍堂をすぐ殴ったりと、意外と短気。
もっとも、支配階級の人間は、えてしてそういうものなのかもしれないし、夜間部の生徒は一部例外を除いて皆気が短そうだが。

ストイックに見える反面、しょっちゅう優姫に触っているという、ちゃっかりした一面も。

特技は優姫の居場所と行動を全て見通せること。
パワー・オブ・ラブと言えば聞こえは良いが、女の立場からすれば、いつも見張られているみたいで、かなり、もとい、ちょっと怖い。
その愛の種類にも悩むところである。
家族愛的なのか、恋愛感情なのか、獲物愛なのか、それとも他に何か裏があるのか。
ちなみに優姫との関係が、目下読者が最も気にしているところだろう。
兄妹説や親子説をはじめ、従兄妹説他、幅広く推理されているらしい。

どうでもいいことだが、自分には市販のチョコだったのに、優姫が零には手作りチョコを渡していたことを枢が知ったなら、やはり不愉快に思うのだろうか。
枢スキーな私は、彼がそこまで器の小さな男でないことを祈るのみ。

最後に。彼は何歳なのだろう。
きっと人間の年齢では年を食っているのだろう……。orz



【 錐生 零 】


おそらく彼が準主役。
物語のヒーローのくせに、よく肌を露出し、よく苦悩し、よく喘ぎ、よく身悶え、真のヒロインである優姫以上に色気を振りまいている。
彼が影のヒロインでないかとの噂もあるとかないとか。

枢の甘甘な優しさとは対照的に、ぶっきらぼうな優しさと、幸薄い設定が最大の武器。
計算高い枢と比べると、彼は心底ピュアに見えてしまう。
常に優しくされるよりも、時々、ポイントポイントでさりげなく優しくされたほうが、女性にとっては効果的かもしれない。
もし零自身がそのことを自覚していてやっているなら、枢以上の黒さなのだが。……それだけはありえない、そんな零は零じゃない。

夜間部一同(一条は微妙?)と普通科女子の大多数には嫌われているであろう彼。
しかし、夜間部はともかく、普通科女子については少し納得がいかないところも。
というのも、零は学園外では夜間部の生徒だと間違えられるほどの雰囲気を持ち、実際、容姿・頭脳・身体能力ともに優れている。
それなのに何故、零に群がる女子がいないのか。
答えは多分、無愛想なところと怒りっぽいところと物腰が優雅でないところが災いしているからなのだろうが、それにしたって人気がなさすぎではないだろうか。
普通科女子が夜間部男子に熱を上げているのは、その美貌や知性の高さゆえであるように見受けられる。(夜間部と普通科の交流がほとんどない以上、皆無でないとしても、人柄に惚れたというパターンは少ないと思われるから)
しかし、ご存知の通り、夜間部のガードは硬く、どう考えても普通科女子の恋が実る可能性はないに等しい。
それなら、もっと身近にいる零のほうが手が届きやすいと思わないのだろうか。
無愛想なイケメン、おまけに無口という設定を好む女子も、少なからずいると思うのだが……。
やはり「夜間部」というブランドがないとだめなのか。

原作に描かれていないだけで、実際には隠れファンがいるのだと思いたい。
頼ちゃんが実は零のことが好きなんじゃないかという設定だと少し面白い。
チョコレートをあげるあげないの会話で頼ちゃんが「夜間部はちょっと。あげるなら普通科がいいな」的発言をしたとき、私はなんとなく「頼ちゃんて実は……?」と思った。

優姫を守っている零は男らしくてかっこいい。しかし、わたし的には優姫が王子様で、零がお姫様という印象が……。
ああ、やっぱり彼がヒロインか……。orz

そんな彼に、どうしても一言物申したい。
「わがままを言わず、理事長の血もありがたく頂戴しなされ」
優姫の体を心配するなら、そうしなさい。(絵柄的には微妙だが……)

最後に阿呆な呟きを……。
吸血行為とは、(腕などから)自分の血を吸って、輸血して、また自分の血を吸って、では駄目なのか。意味がない?




【 黒主理事長 】


ご存知、黒主学園の理事長で優姫の義父。
優姫はともかく零や枢のことに関しては多くのことを知っているであろう、ヴァンパイア騎士において非常に重要なポジションにいると思われる人物。
まずは、本名と年齢、経歴、属する種族と厚着の理由を教えて欲しい。
吸血鬼ハンターの夜刈から「隠居ボケ」呼ばわりされていることから、元吸血鬼ハンターだった可能性が高いと思われる。(←やや弱気)
しかし、優姫を引き取った10年前から容姿がまるで変わらないなど、ただの人間だとは思えない節も。
さらに初等部から大学部まで備えた名門校を運営できるほどの資金力も持ち合わせていたとなると、ますますその正体が気になるところ。
(莫大な寄附金によって学園を運営維持しているとしても、自己資金ゼロの状態で学園運営を始めたとは考えにくいのですが、どうでしょう? 加えて、資金も信用もない人物であったとしたら、資金を都合してくれる人もいないと思うのです)

いつもおちゃらけた言動で優姫や零の冷たい視線を浴びているが、本誌で垣間見せたシリアスモードの彼は切れ者の風格を醸し出しており、その二面性にクラクラした女性読者が続出したとかしないとか。
ちなみに単行本のおまけ4コマ漫画で彼は自分のことを「俺」と言っており、それが本来の彼の姿なのだろうと私は確信している。

枢とは、人間と吸血鬼の平和的共存を実現すべく一種の協力体制にあるようだが、実際には、どちらも自分の利のために互いを利用しているにすぎないのかもしれない。
というか、互いに信頼しあっていながらも、根底にはそういうシビアな関係があってほしいと思う。
食わせ者の二人には裏取引という言葉がふさわしい。

今のところ零と優姫の味方は理事長のみのようだが(夜刈は学園を退場してしまったので除外)、この先どこまで零を庇うのかは予想がつかない。
零の存在が学園の平和を脅かすと理事長自身が結論付けたとき、彼は一体どのような行動をとるのだろうか。それが見物である。
理事長は「良い人」をアピールして描かれているが、彼が本当にただの優しい人=甘ちゃんであるとすれば、夜間部やハンター協会、一条さんちのじいさんと渡り合うことなどできないはず。
よって、彼は優しいだけの人であるはずがない。
怜悧な黒主理事長が描かれる日を楽しみに待ちたいと思う。



【 藍堂 英 】


普通科女子から「アイドル先輩」などというアホ丸出しなニックネームで呼ばれ、それを喜んで受け入れた奇跡の天才少年。
連載開始時はいかにも華奢でのほほんとした印象だったのが、最近は容姿性格ともに劇的な変化を見せている……ように思われる。
ボケ担当は一条に譲ってしまったのか。
人間を見下しているかのような藍堂もそれなりに良い味を出しているのだが、わたし的にはアホアホな藍堂が懐かしい。

「枢様の懐刀」と呼ばれるほどの立場にいるらしい彼。
枢に可愛がられている優姫のことが面白くない様子で、何度か優姫にいらぬちょっかいを出した。
そのたびごとに確実に枢を怒らせており、藍堂が枢の側近の地位を失う日もそう遠くないのかもしれない。
藍堂が月の寮にやってきた優姫を氷漬けにしようとした件については……やりすぎ。笑えない。
藍堂の作り出す氷がどれほどの温度なのかは知らない。彼がどこまで本気だったのかも知らない。
だが彼は確かに優姫の足を凍らせたし、それ以上のこともしようとしていたように見受けられる。
彼の氷が氷である以上、全身を凍らされたら、人間は確実に死ぬだろう。(あの時、優姫の足は凍傷にならなかったのだろうか)
私が枢なら、あの時点で藍堂に即解雇を言い渡している。

しかし、やりすぎだと思う反面、少し残念なことも。
優姫を氷漬けにして枢の元に連れて行こうとする藍堂を想像してみてください。
全身カチンコチンになった優姫を担ぎ、えっさ、ほいさ、とばかりに階段を上がり、枢にそれを手渡す藍堂を……。
笑えませんか?


私はあのシーン、それの情景が真っ先に脳裏に浮かんだ次第です。どあほうで申し訳ない。

枢至上主義で、ぶたれてもぶたれても、枢への愛…もとい忠誠は一向に揺るがない藍堂。
しかしそんな藍堂よりも、彼のいとこである架院のほうが、はるかに枢に信用されていると思うのは私だけだろうか。
……不憫の一言に尽きる。

(2005/09/10から10/16までWEB拍手お礼として掲載)





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